2013年05月02日

トイレの神様の名に由来する植物

府立植物園:ピンポンノキ(花).jpg府立植物園:ピンポンノキ(果実).jpg
 現在、鑑賞温室のジャングルゾーンでは、ピンポンノキ(アオイ科)が花を咲かせています。この植物は中国南部原産(熱帯性)の落葉高木で、高さ10〜17mになります。属名のステルクリア(Sterculia)は、ローマ神話に登場する便所の神様ステルクリウス=iSterculius)の名に由良し、ラテン語のstercusには「糞」という意味があります。本属の中には、花に悪臭があり、ハエを呼び寄せて受粉させることから、少し気の毒にも思える属名がつけられたようです。また、ピンポンといえばスポーツの卓球を思い浮かべますが、全く関係はありません。
 ピンポンノキの花は、小さいながらも法具の三鈷杵(さんこしょ)や五鈷杵(ごこしょ)のような造形的な形をしており、思わず見入ってしまいます。花の後には、鮮やかな朱紅色をした袋果をつけ、中には黒い種子が3〜5個入っています。この種子は煮たり、炒ったりして食べます。
 現在、写真(右)のように、結実はしていませんので、ご注意ください。
posted by 京都府立植物園 at 17:39| 植物園最新情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする